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 今年7/9に行われる吉村弘さんの回顧展のオープニングにKOTOVORTEXがパフォーマンスを行うことになり、 今日神奈川県立近代美術館葉山館に打ち合わせに行った。
 吉村さんが病床で作られた最後の曲は、ここともうひとつの分館・鎌倉館のための音楽。葉山館に行くのは今日が初めて。 青空が春のうすぐもり色から夏を予感させる抜けるようなブルーへ。雨もきらいじゃないけどやっぱり青い空が好き。逗子駅からバスに乗る。新鮮なおさかなが並んだ市場を通り、 だんだん海のにおいがしてくる。きらきらとうろこみたいに波打つ海が住宅のすきまから見えてくる。そして、真っ白な建物が現れたら美術館到着!バスを降りると目の前には山が迫っている。 新緑が始まって山はにょきにょき育ってこちらに近づいてきそうな様子。吉村さんの奥様・洋子さんと学芸員の方々、VORTEXのメンバー、それぞれの中に生きている吉村弘さんの音楽、作品、思い出、ぬくもり。 和やかな打ち合わせは館内を廻り場所などを決めすぐに終了。海を眺めた。吉村さんは波の音を録ったり、歩いたりして一日ここでひとりの時間をすごした。今わたしたちは同じ場所で同じ海を見ている。 吉村さんはいないけど。。。でも、話は尽きないし音楽はずっとさっきから聞こえている。
 どんなちいさな声にも耳を澄ましていた吉村さん。きっと吉村さんの耳は地球も時間も飛び越えていた。 目は見るためだけのものでなく、耳は聞くためだけのものでなく。。。HO・NA・MIを初演したときに広尾の駅の近くで採ってきたんだ!とうれしそうにススキの穂を持って会場に駆けつけてくれたやさしくてこどものような笑顔の吉村さんを忘れない。
  みんなと別れて鎌倉駅でよしずを買った。去年の台風でベランダのよしずはぼろぼろ。そっかぁ。。もう夏の準備。青空を眺めながらよしずを取替え、デッキチェアーをきれいに拭いて、さあ!もういつでもここでお月さまを眺めながらビールを飲める! こんなはやくから我が家のビヤガーデンはオープン!そういえば吉村さんはビールが大好きだった。ビールの空き缶でできた楽器もいっぱいある。7月は暑い夏。吉村さんのたくさんの作品に囲まれて音はきっと宇宙の外側へ向かう。吉村さんにもきっと届く。終わったあとはいっしょにビールで乾杯!
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