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2009年02月16日 『明日から』

和歌山から紀ノ川を渡り、さらに山を越えて大阪へと向かい、そこから新幹線に乗って新横浜または東京に移動するという経路をもう何度経験したかしれません。
和歌山で月一度のレッスンを始めてもう20年以上になります。
同じ道を何度も・・・・。
だけど、不思議と飽きたなあと思ったことは一度もないのです。

同じように見えても、全く同じことなんてないのですよね。
毎年同じように四季は巡ってくるけれど、毎日朝が来て夜も来るけれど、ちいさな変化はいっぱいありますから。
それは、もちろんそれ自体も変化しているし、自分も変化しているからですよね。

いつもと違うことを発見することは楽しい。
そしてまた、同じ(ような)ことが巡っていることを発見するのも楽しい。

要するに、何かに気づいたり、発見することって楽しいのですよね。
見たこともない世界だったり、とてつもなく広い世界だったり、そんな未知の世界に突然プラグがつながったような気になるんです。

発見に終わりはなく、だからやっぱり、この世界はとてつもなく広く深いのです・・・。

道端で咲くちいさな花や、風に揺れる木々の葉、空を流れる雲、夕陽のあでやかさ、つぼみの愛らしいふくらみ、ぴかぴかの芽、落葉のささやき・・・
そのひとつひとつが、生きているということを、動いているということを感じさせてくれます。

和歌山で春一番が吹き荒れました。
その夜、吹きすさぶ風のものすごい音を聞きながら筝を弾きました。

春の戸を叩く音・・・

みなさんは、毎日、何を見て、聞いて、感じていますか?

土の中から顔を出したつるつるの若芽を見て、心がちょっと苦しくなるくらいかわいく、いとおしくなる瞬間ってないですか?
青空を見上げて、風を感じて、自分が風船になったような気持ちになることってないですか?

明日から、私のコンサートの香港・上海公演が始まります。(スケジュールにアップする余裕がなくてすみません!)

音楽は、「場」を開く。
そう今は思っています。

帰国しましたら、またご報告したいと思います。
待っていてくださいね!

2009年02月09日 『スイス・ダボス報告』

スイス報告が遅くなってしまってすみません・・・。

今日は友人の結婚おめでとうパーティー。作曲家の故吉村弘さんの奥様の洋子さんが手料理をごちそうしてくださり、ごく親しい友人だけでお祝いしました。
おめでたいことはいいこと。私も幸せを分けてもらった気分です!

スイスから帰国する飛行機の中で体調を崩し、その後食事の量も少し減ったので、「ああ、これは、私はかなりやつれているにちがいない・・・。」と思いつつ、今朝、もう春だし、デニムのパンツをはいてみようという気分になりました。
きっとゆるくなっているんだろうと予測してはいてみたら、

ん???キ、キツイ・・・(汗)

そ、そんなはずが・・!?

そうだ!デニムは何度も洗うと縮むしね(汗)。ふむ・・・(←ここで、自分が太ったと思わずに、普通は伸びていくデニムをこうも自分の都合のいいようにねじまげて考えてしまう自分がコワイ(苦笑)。体重計に乗っても太ったときは体重計の調子が悪いと思うこともあるし・・・)

でも、冷静に考えて、やっぱり少し太っていたのです。最近いつもスカートをはいていたので、気づかなかったのですね。春に向けて少し引き締めなくちゃ!

そういえば、街の洋服屋さんはすっかり春物に入れ替わり、軽い素材の明るい色の洋服で華やいでいます。
春になると新しいお洋服やバッグ、靴がほしくなりますね。

そうそう、スイス報告でした!!!また、話が横道に逸れてしまいました(ゴメンナサイ!)

オーストリア・ウィーンでのお仕事を終えて(次につながるお仕事なのでいずれまたご報告できるときが来るかもしれません。)、スイス・ダボスに向かいました。
昨年に引き続き、今年もダボス会議の中で演奏させていただくことができ幸運でした。

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私の泊まったところは、偶然ですが昨年と同じバッドラガッツというところ。「アルプスの少女ハイジ」の中で、クララが病気の治療のために湯治に訪れる舞台になったところです。ダボスが山のかなり上の方だとすると、そこからかなり下った里という感じの場所。

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そこから車と列車両方で往復することができました。

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青い空と白い雪。
山々は人々の生活を包み込むようにそびえたち、木々は、その合間を縫って走っていくわたしたちをまるで見守ってくれているかのようです。
途中には、冷たいはずの水がやわらかい音をたててちいさなうねりをいくつもいくつも重ねて流れていきます。走るように。たなびくように。
赤い列車はまるでそれと追いかけっこしているかのように林の中を抜けて行きます。時には、崖っぷちを斜めになりながらすべるように走るので少しドキドキします。
雪の表面はガラスの粉が蒔かれたように光を反射してキラキラと輝いています。掬い上げたらきっと砂のように指のすきまからその粒がこぼれていくにちがいない・・

大自然は、心をこどもにしてくれます。
それはきっとどんなに大人になってもどんなに年をとっても、人間は所詮この大いなる自然に比べたらこどものようなものだということかもしれません。
ただ、空は青く、雪は白く、なめらかで、ひんやりと澄みきって、きわだち、あまりにも大きく遠く計り知れない・・・
その美しさ、強さ、威厳、優しさ、豊かさ・・・・あたりまえだけれど、無条件に、そこにはもうわたしたちのなにものも通用しない存在があるというだけ。

ダボスの街を見下ろす山のちょっとした高台のベンチになぜか行き着いて、そこには来る人はなく、こんな絶景を独り占めしていいのかなと思いながら、それ以前に木々の間を山道を歩きながらもうすでに、なぜか涙がこぼれました。

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夜は星をたくさん見ました。オリオン座も北斗七星もはっきりと見えました。とても大きく見えたのは気のせい?

チーズがとてもおいしかった。

ダボスの地元の人たちが集うカフェが私のお気に入りの場所。
朝食のビュフェで迷っていたら、あれこれ説明してくれて順番に着いて廻ってくれた優しいレジのおかあさん(もっといい呼び方ないかな・・)、タクシーを探すのに困っていたら手をつないで駅まで一緒に走ってくれた見知らぬホテルのフロントのおかあさん(ほんとにもっといい呼び方があってほしい・・・親しみのある年配の女性の尊称ってないですか?)、イタリア語とフランス語しか話せない(私は日本語だし・・・)のになぜかいっぱい会話したタクシーのおじさん(おじさんという呼び方は普通にしっくりくるのはなぜ?笑)、日本の曲を演奏してくれたレストランのピアニストのおじさん、ありがとう。

街の人たちはどんなすごい人たちが来ようといつもと変わらないのんびりとした様子。
動揺したり、興奮している様子もなく、相変わらずのおだやかな日常。

ダボスにはそんな立派なホテルはありません。どんな立場の人も大都市にあるような待遇を受けることはできません。そうして、街の中は雪ですべるためにみんなゴム底のしっかりした靴を履き、歩いて会場を渡り歩くことが普通です。

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スイスの中でもけして便利とは言えないこの場所に、世界中から要人が集まって世界の諸問題について話し合うというのはなんだか信じられないような気がします。
そのために整えられた環境ではなく、お祭り騒ぎもなく、特別なサービスがあるわけでもなく、だけどここにこれだけの人を集める力って一体何なのだろう?
どんな立場の人もこの大きな自然の中で、ただひとりの人として原点に返ることができるからかもしれません。

今日の私のように、人はきっと情報を理解するときにどこかで自分に都合よく、自分のフィルターを通して処理してしまいます。
もちろんそうすることでしか自分の中に取り込むことはできないのでしょうから、いつもそれがどこかで歪んでいないか注意深く慎重でなければならないし、自分のフィルターを世界に開かれた性能のいいものにしておく努力を怠ってはならないと思います。
そして、情報自体がすでに伝える側のフィルターを通しているということを忘れてはならないのですよね・・・。

聞きかじりの情報だけで安易に判断して感情的になったり、煽動されることなく、きっと私たちは世界と向き合いながらもそれぞれが担っている役割をただひたすらに果たし、その平和な日常の豊かさに感謝して自分で幸せを発見していかなくてはならないのだろうと思いました。
あたりまえにあると思っているものの中にある喜びや楽しさを見逃さないように・・・。

2009年02月05日 『和歌山・有田川町コンサートご報告』

遅れ遅れの日記なので、なんだかいろいろと前後して、混乱させてしまってごめんなさい!
1月18日の和歌山・有田川町でのコンサートについてのお話を少しさせてください。

昨年に引き続き今年も和歌山の有田川町・きびドームで藤原道山さん・伊藤志野さんとのコンサートがありました。
古典から現代曲、大塚茜さんの新作初演、お客さまも一緒に歌う日本の歌、クラシックのアレンジ、それぞれのソロ曲・・・というプログラムで、そこにはあらゆる角度から邦楽の魅力を味わっていただけるようにという出演者・スタッフの願いがこめられています。
有田川町と「えん」という邦楽団体の代表・伊藤和子さんとの協力のもとに開かれた演奏会。

伊藤和子さんは、私と藤原さんの共演をかれこれ10年あまり前(たぶん・・・)にご自分の主催されている全国学生邦楽フェスティバルで実現してくださいました。
「あの時の「筦絃秘抄」(肥後一郎作曲)の演奏が今もはっきりと記憶に残っています。」と、こんなに年月を経ても言ってくださる方がいます。とてもうれしいです。
技巧的にも非常に難しく、あの頃どんな演奏をしていたのかしら・・・と少し恥ずかしい気持ちもしますが、その頃はきっとがむしゃらに弾いていたのでしょう。相当怖い演奏だったかもしれません・・・笑
伊藤和子さんは今も変わることなく邦楽を愛し、広めることに徹して学生や若い演奏家を応援していらっしゃいます。

今年の夏・8月には久しぶりにその全国学生邦楽フェスティバルで演奏諸々させていただく予定です。
どうか全国の邦楽ファンのみなさま、そしてご興味のある方、どしどし参加してくださいませ!
詳しくはまたご案内しますが、若い方たちのフレッシュなエネルギーに満ちた楽しいイベントであることはまちがいありません。

そして、藤原道山さんは今や邦楽界のスターです(この言い方って古いですか?)。人気実力共にすばらしく、いろんなシーンで大活躍されていて、私があえて言うまでもなくきっとみなさんよくご存知ですね!

伊藤志野さんは、京都の古典の演奏家。幼少の頃から修行し続け、その伝承者として大きな期待を担っています。古典が大好きでとても研究熱心!

大塚茜さんは20代のフレッシュで情熱的、且つ、チャーミングな女性作曲家。彼女の曲は、自然と音楽と生きること、そんなことを感じさせてくれる音楽です。

そんなチームで作った音楽会でした。
お正月ということもあって、お着物でご来場の方にはプレゼントがあり、休憩時間に行われたじゃんけんで勝ち残った方にはお年玉(色紙ですが・・・)が配られました。

プログラムとしてはかなりハードなものでしたが、一年の初めを引き締まった気持ちで迎えることができ、和歌山県の静かな山の中のちいさなホールということもあって和気藹々とした暖かい雰囲気に包まれました。
和歌山市からもかなり時間のかかるところでしたが、京都や大阪からのお客さまもいらしてくださっていて、本当にありがとうございました。

これは余談ですが・・・
この日、会場に向かう早朝、何事もいつもぎりぎりの私が珍しく和歌山駅に早く到着。時間が余ってカフェでコーヒーなどゆっくりいただき、駅のホームでのんびり電車を待っていて、はたと気づいたら大事なハンドバッグが無いっ!
ええーーーーっ!!!ど、どうしよう!!!そうだ!あのカフェに違いない!
発車まであと5分!
駅員さんに有無を言わさず全速力で改札を突破し、カフェに飛び込むとそこにはバッグが待っていてくれました(涙)
ああ、よかったぁ~。と思って喜んでいる間もなく、店員さんに、ありがとうございました。とお礼を言って、嵐のように現れて去って行く私に呆気にとられながら「よかったなあ」と言ってくれている他のお客さんの声を背に、またまた全速力で改札突破!走るのは誰よりも遅いのに、このときだけは階段もスイスイ降りて上ってホームにたどりついたら、電車が入ってきてすぐに発車。

なんと!やればできるじゃん!・・・というか、これに乗り遅れると一時間電車が無いですからね・・・というか、何より貴重品の入ったバッグがあってよかった・・・というか、新年からいきなりのこのドジぶり・・・まあ、コンサートはつつがなく楽しく終わったのですから、ね。
万々歳!\(^o^)/

そしてこの後、私はオーストリア・ウィーンを経由して、スイス・ダボスに向かいました。
その旅のお話は次回に。

・・・実はもう書き始めているのですが、あまりに長すぎて一日で読んでいただくには忍びなく今日はこのへんで。
もう一度ゆっくり見直してアップしますので楽しみにお待ちくださいね。

2009年02月04日 『テスト中・・・』

ただいま、PCテスト中です・・

2009年02月03日 『節分のメモ』

季節の変わる夜には、何か、たとえば、風が渦を巻くとか、空の雲がある時刻を境目に互い違いに動き出すとか、冬が春に何か秘密のバトンを渡すような瞬間があるかもしれないと思って、落ち着かなくて、窓の外を眺めてみたりします。
もしかしたら、おつきさまが一瞬の隙をついてぐるっと一回転するかもしれない。などと想像してひとりでおかしいなと笑ってみたり・・・。

そういえば、夜が更けていくときと明けていくときの瞬間って?
何かが交差する瞬間、その一瞬に生まれるものを目撃したい好奇心。

お昼に今年初めて梅の花に出会いました。
近づいて、そっと、こぼれた匂いを感じてみればよかった・・・と、ちょっと後悔。

風はなく、静かな夜。ありきたりの夜。
木がわずかにくすくすと笑っているように揺れています。ざわざわとではなく、くすくすと。

春になるとどうしてこんなに心が動いて、飛び出しそうになるのだろう・・
ただただ走って駈けてゆきたいという衝動。

何かが待っている。そんな期待と不安と。

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