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2009年01月26日 『インド旅行記』

インドでの演奏を終えて和歌山に直行し、レッスンや藤原道山さんとの演奏会を終え、ようやく鎌倉に帰宅しました。
・・・と思ったら、これからまたスイスに向かいます!
(あ。コンピュータの操作がよくわからなくて日付が違ったままアップしてしまいました。ゴメンナサイ!)

インドでの演奏は、さまざまな面でたくさんの刺激になり、たくさんの元気をもらって、一年の初めにこんなすてきなできごとがあったことはすごく幸せです。

インドで行われた会議は、経済会議で、さまざまな国が手をつないで協力していきましょうという趣旨のものでした。特に、日印関係はその中でも重要な位置を占めていて、私が今回この会議で演奏させていただくきっかけになったのも、日本とインドをこれから将来に向けていい関係でつないでいこうということから始まりました。
経済の関係だけでなく音楽や美術などの文化交流をすることによって、人と人の心が触れ合って、お互いの深い理解と尊敬の上に成り立つ友好関係を築こうという熱意に感動しました。
このような場で演奏させていただく機会を与えていただき、心から感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
私には経済の難しいことはよくわかりませんが、対等な立場に立ってそれぞれの能力を生かし協力して新しい世界を切り拓いていこうということはすばらしいと思いますし、会場はテロや経済危機などの困難な状況に立ち向かうインドの人たちの情熱と気概に満ち溢れていました。

会議の名称は、「Vibrant Gujarat Global Investors' Summit 2009」
デリーとムンバイの中間に位置するグジャラート州・アーメダバードというところで行われました。

演奏に関して、結局、出発前にどこでいつどれくらいの時間演奏するかという情報は得られず、そうなると私も何を用意していってもしょうがないので、ともかく楽器とお爪と自分の身ひとつで行くしかないということで随分身軽な旅になりました(笑)。
出たとこ勝負!

ムンバイを経由して、アーメダバードに到着。
インドの町は相変わらず日本の現実とはかけ離れています。会場に行く車の中で、横を通り過ぎる何かが視界をかすめたかと思うと、らくだの列が車を追い越していきました。
らくだって動物園で見たことしかなかったし、ましてやこの舗装された道路の上を悠々と歩いているなんて!

牛はインドでは宗教上の理由で神聖な動物、神様のような存在。
にぎやかにお店が並んだあたりには、人ごみに紛れて牛がいます。
ええーっ?首に縄がついているわけでもなく、人が操っている様子もなく、日本のラッシュアワーに牛が普通に紛れているような感じなんですよー!(笑)
目を疑いました!
牛と人間の区別が無いっ!!!!!
牛は自分のことを人間と思っているみたいだし(牛の気持ちがわかるって?笑)、人間も別に牛だと思ってない・・・ともかく一緒にいることが「ふつう」なことなんです。
道路の真ん中に牛は退屈そうにたまにしっぽをゆらゆら動かして悠々と寝そべっていて、車はそれをよけて通ります。これが日常なんです!
やぎもこどもたちと楽しそうに戯れていました。
神聖なものも世俗的なものも、神様も動物も人間もすべてが共存し、混沌としています。


価値観や常識がぐらぐらします。

でも、それがなんだか楽しくて、笑えて、朗らかで大らかで優しい気持ちになれるんです。

インドに来て一番感じたこと。
人々の優しい笑顔と眼差し。

貧困は日本の比ではなく、まさに生きていくぎりぎりのところにある人がほとんどです。

それでもひたむきに黙々と自分にできる仕事をしている姿を見て、贅沢な環境の中で生活している自分が恥ずかしいような気持ちになりました。
ちいさなことで落ち込んでみたり、くよくよしてみたり、そんな時間があるならやっぱり今ある環境に感謝して、精一杯努力して、いい仕事をしなくちゃ!それも笑顔でね!
「がんばる」ことは苦しいことじゃないのですよね。
それがまるで受身のように思っていると苦しくてつらいことだけれど、それが能動的であって希望であれば笑顔で楽しいものになります。
健康で今のところは食べるものにも困らない生活を送っている恵まれた私がこんな偉そうなことを言う資格はないけれど、それでもものは考えようですから。
幸福と不幸もある程度は自分で選んでいるのだと思います。

話が少しずれましたが、到着して、私はこの大きなサミットの中の「Japan Seminar」で演奏するということが判明。
サミット全体はまるで万博のように広くていくつものパビリオンのようなものが建っていて、私の演奏する会場は150人くらい入るスペース。
そして、なんとインドの音楽家と共演することになっていました!

リハーサルのために早めに会場に到着して軽く打合わせる予定が、楽器の備品の到着が本番ギリギリになり、打ち合わせもできずじまい。しかも、私の英語力ではことばだけの打合わせができるはずもなく、まあ、なんとかなるか・・・と、得意の開き直り。適当というか楽天的というか・・・
インドの音楽家はヴィーナと呼ばれる弦楽器奏者と打楽器奏者がふたり。
お互いにそれぞれに10分ほど演奏し、そのあと即興演奏することに。
曲の始まりも終わりも音階もリズムもまったく打合わせ無し。特に打楽器奏者のおふたりとは全くことばも通じず、目を合わせて微笑むだけのコミュニケーション。
2009_01012009お正月・インド0030.JPG

演奏が始まって、私は徐々に音を決め、会話のようにお互いに音を出し合い、途中から打楽器が入ってひとつのリズムの上でまるで踊っているかのように一体になっていきました。
音から伝わってくることばは心のことばです。
お互いがお互いの音楽を楽しみ、そこから何かを感じようとし、伝えようとし、お互いの国のことを敬愛し、そして、お互いを人間として尊敬し、理解しあえた喜びに満ちていました。
そこに生まれた音楽は、どちらの国のものでもない新しいもの。
探りながら、注意深く、一方的な自己主張ではなく、押しつけでなく、頑固さでなく、もっと透明で、しなやかで、優しさとエネルギーに満ちたもの。
音楽ということをも、もしかしたら忘れていたかもしれません。
その瞬間、私はただ仲良くなれたことがうれしかったから。
演奏がなんとなく終わり、客席からは大きな拍手とブラボーの声と次から次へとスタンディングしてくれる人たちが・・・。
演奏者はお互いににっこり。

いろんなことが、目には見えないけれど、ことばにはできないけれど、この会場中に伝わったね!ありがとう!

そして、そのあとセミナーは始まり、私も経済の問題に関しては疎く、しかも英語でのお話の中で理解できることなどほとんどないものの、少しでもわかりたいと思って拝聴していたら、あるインド人スタッフがかけよってきて、耳元でこそこそ・・・
これから楽器と共に移動してほしいということらしい・・・でも、なぜ?
そう思っていたら、日本人スタッフが、どうやらメイン会場で行われる閉会式で弾いてほしいということらしいですよ。と通訳してくれました。

メイン会場って、あの5000人くらい入るような大きな会場!?
しかももうすぐ始まるらしい・・・。あわてて車にお筝を積んで移動。
連れられるままに会場入り。舞台でセッティングをしている間にも報道関係の人に囲まれてカメラ撮影が絶えません。
2009_01012009お正月・インド0018.JPG
結局またまた即興演奏することになり、本番。
8000人ほどの観客。遠くの人たちは当然かすんでいて、巨大なスクリーンが真ん中に。前列には50台ほどのカメラが並んでいます。
2009_01012009お正月・インド0012.JPG
お客さんが何人でもできることは同じ。もちろん即興なので同じことにはならないけれど・・・。
演奏が始まると、途中から拍手が沸き起こり、手拍子まで始まりました!
8000人の拍手の波はまるで地の底からのうなり声みたいに、遠くから聞こえる海鳴りのように会場に響き渡り、拍手は人々の声のようでした。
静かな感動に包まれていました。
大勢の人たちが集まった時のものすごいエネルギーは、時として危険なものにもなりかねません。だけれど、外に向かって平和に開かれていくひとつの入口であればそれはどんなにすばらしいことでしょう。

舞台から降りて帰るときにもたくさんの人たちが声をかけてくれました。こどもたちには、一緒に写真を撮ってほしいと言われたり、握手をしてほしいと言われました。
自分たちの国を自分たちの手でよくしたい、そんな熱気にあふれていました。

翌日、新聞の一面に私の写真がアップで大きく掲載され、他社の新聞にも4人で演奏している姿が載りました。
そして、日本人スタッフが、「演奏を聴いて、日本人でよかった。日本に生まれてよかったと涙が出そうになりました。」と、言ってくれました。
とてもうれしかった・・・

私は、筝という楽器のおかげでいつもそう感じています。

空港へ向かう途中、お金をくださいと赤ちゃんを抱いたおかあさんや幼い兄弟が車に寄ってきました。
「インドにはこんな生活をしている人が1割、約1億人いるんです。大体日本の人口と同じです。その人たちをなんとかしなくちゃいけないんです。」とお世話をしてくださった方がおっしゃいました。

そのために力を尽くしている人も、生活をなんとかよくしようと努力している人も、世界にはいろんな人がいます。
私がたとえばそのためにできることなど直接的には何もありません。

この地球上にそのからだから命を産んで大切に育て巣立たせるおかあさん、家族を支え国を支えもっと広く地球のために一翼を担って働くおとうさん、すべての職業に従事する人たち・・・大げさなことのように聞こえるけれど、そんなちいさなちいさな力の積み重ねがきっと地球を支えているのだと思います。
世界に向けて仕事をするというのは、全ての人にあてはまることなのだと思います。

一日一日を大切に。
大切な人を大切に。
大切じゃない人なんているわけないから、すべての人を大切に。

笑顔で楽しく!シンプルに!

そんなことをいっぱいいっぱい感じさせてくれたインドの旅。
そういえば、インドで体調を崩して日本人の方々が日々倒れて入院される人まで出る中で、出発前体調が悪くインドですっかり元気になって復活した私の体質ってどうなんでしょうね?(笑)

2009年01月10日 『あけましておめでとうございます!』

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年のご挨拶というにはちょっと遅すぎますね。(まだ年賀状も書いているような有様で、新年早々あたふたしています!)
この日記を読んでくださっている方々にもいろんなところで「楽しみにしているんです。」と声をかけていただきました。ありがとうございます!
今年は、コンサートのご報告などもなるべく新鮮なうちにお届けしたいと思います。目標です!

いつもどおり和歌山で両親と一緒に新年を迎えました。おせち料理は全て母の手作り。
初詣は玉津嶋神社に。
練習時間をとりたかったので今年は三社詣には行けませんでした。

2日には高校時代の同窓会があり、20年以上ぶりに会った同級生も・・・。名札をつけていないとお互いわからないということも多く、月日がたつと人って変わっていくものなのですね。
なつかしかったです。とても楽しかった。
たぶんこの日はみんな男の子と女の子に戻ったのじゃないかしら。

それから、新橋演舞場で歌舞伎を鑑賞し、ニューイヤーコンサートにも行きました。
お正月の楽しみ。なんだかお年玉をいただいたようで、元気が出ました。

楽しむことってやっぱり積極的に楽しもうとしなければやってきてはくれないし、いろんなことを知ったり、感じたりすればするほど楽しさは増します。
同じできごとをどう感じてどう思うかは自分次第ですよね。
そして、チャンスはそんなに巡ってこないような気がするんです。
だから、もし、すごく楽しいすてきなこと、興味をひかれること、なんとなく気になることがあれば躊躇しないでそこに飛び込んで、思いきり楽しむのがいいですよね。だって、今度はいつそんな素敵なチャンスが巡ってくるかわからないし、たった一度のチャンスかもしれないから。

そして、なんとなく憂鬱だったり、つらかったりすることは、笑いに変えられるようにしたいですよね。
もちろん笑えないことがいっぱいあって、だからこそちいさな憂鬱は笑いで退治しなければ!

からだにもこころにも免疫力をつけて、善玉菌をいっぱい増やして、ふっくらと豊かで、ぷるんと潤った自分でなるべくいられるようにしたいです。
楽しくなる工夫って必要です!

新年早々思いつくままにいろいろ書いてしまいました。
「人」ってしなやかで、いつでも変わることのできるやわらかな生き物だと思うんです。
それもこれも自分次第だけれど・・。

すてきな年にしましょう!すてきな自分になればきっとすてきなことも起こります!

明日からインドに演奏に行ってきます。どんなところでどんな風に演奏するかは現地に行ってみないとわからないような状態です。
それもまた楽しみです!

18日には、和歌山の有田川町で藤原道山さんと伊藤志野さんとコンサートがあります。

2009年が始まりました!

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