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2006年08月07日 『うれしい事件』

とてもうれしいご報告です!
いろいろなことが頭をよぎって、うまく文章にできるかしら。。。そう思いながらパソコンのキーを叩いています。

昨日は高校生の全国高校総合文化祭が京都でありました。
簡単に言うと高校野球の甲子園同様いろんな部門の全国大会。我が桐蔭高校箏曲部も昨年の和歌山大会で一位になり、全国大会参加の切符を手にすることができました。
全国55校の中から、1位校1校が文部科学大臣賞、同列2位の3校が文化庁長官賞、あと4校が優良校に選ばれます。上位4校は8月26,27日東京・国立劇場で演奏することができるのです。

そして、昨日、なんと!文化庁長官賞を受賞しました!(めでたいめでたい\(^o^)/)
2006_0806京都全国大会0016.JPG

演奏曲目は、絃歌(肥後一郎作曲)。筝ソロと3つの筝パート、1つの十七絃パートによる編成。
演奏者は15名(2.3年生)。ソロも3名で同じことを弾いたので各パート3名ずつ。
2006_0806京都全国大会0011.JPG

和歌山から1台のバスに楽器を積んで、4日の正午すぎに学校を出発。この切符を手に入れてくれた卒業生9名も同行。(↓卒業生たちです!)
2006_0806京都全国大会0024.JPG

ホールに到着して少し他校の演奏を聴き、そのあとリハーサル。ホールはおよそ千人の収容の大きなホール。進行は分刻み。

わたしたちにとっては慣れないことばかり。
5日の京都の気温は38℃。楽器にとっては過酷な環境。楽器屋さんがまめにメンテナンスをして下さったにもかかわらず前日の学校でのレッスンでもまだ私が糸締めをしているような状況ですからバスの中で高温に耐えた楽器はかわいそうなくらいへとへとで、糸も落ち着かず、調弦にかなり手間取ってしまいました。その上、様々な段取り。大きなホールでの経験のない高校生にとっては精神的にも落ち着かず、リハーサルは超高速の浮わついた演奏になってまいました。
私は客席にまわって、演奏を聴き、あるいは他校の演奏を参考にセッティングの位置、あるいはホールの特徴、生徒の今の状況を考え、本番に向けていろいろ考えました。
夜、ミーティングができたのはすでに夜11時をまわっていて、それでも明日に備えて注意をいろいろ。調弦の方法も私の中で反省して、できる限りはやく正確にできる方法を考えました。
食事するところもなかなか見つからず、ゴキブリ騒ぎもあり、なんだかバタバタ。。
でも、みんな今夜はしっかり寝るのよー!(本番終わったら徹夜しておしゃべりし放題なんだからね!)

6日。今日もどうやら快晴。また38℃かぁ。。。
しかし、元気いっぱいの高校生たち。ん?どことなく緊張してるかな?
そんなことないない!雑魚寝状態で寝相の悪い誰かの足が飛んできたとか、ゴキブリ出なくてほっとしたとか、そんな話で笑ってるし。。。
会場に到着して、少し他校の演奏を聴き、昼食。その後調弦。昨日と方法を変えたせいか時間も短縮。手馴らし程度の音は全員出すわずかな時間を確保することができました。(ほっ。。)
みんなも徐々に緊張。ともかく落ち着いて一音一音丁寧にね。大切にね。失敗を恐れないで。耳に届く音じゃなく心に届く音だよ!だいじょうぶ!自信もって!
声をかけながら、一番緊張してるのは私じゃないの?と思ったりして。。卒業生はみんなをあれこれ助けてくれながら祈るような態勢。(わかるわかる!その気持ち。私も同じ。)
舞台に彼女たちを送り出した後、袖で見守ります。がんばれがんばれ!焦らないで!
演奏は落ち着いていて、ちいさな音もおおきな音も生きていました。客席は吸い込まれるように静かで、そこにはただ音だけが空中を漂っている宇宙のようでした。
感動して涙があふれてきました。
ほんとによかった!(涙、涙、、、)

よかったよ!よくやったね!えらかったね!(ひとりひとりを抱きしめたい気分だよ!)

生徒たちとわたし。年に5.6回のレッスンでしか今は会うことがありません。OGたちが助けてくれているけれど、それでもつきっきりというのではなく、ほとんどが生徒たちだけでまわっているクラブ。
初心者の指導、練習計画、音楽を作ること。すべて自分たちで相談して、自分たちで探っていく半ば指導者不在のクラブ。技術的なことを私がそれぞれに言うのは年に1回くらい。しかもひとことふたこと、こういうやり方もあるよという程度。
曲の作り方も簡単な骨組み(レシピみたいなものかな?)を言ってあとはできあがるまでまかせきり。できあがったら少し修正したり、こんな色もあるし味もあるし組み合わせもあるよとパレットの中でいろんな色を作って見せる、角度を変えた見方や捉え方、アイデアを言ってみる。みんなは驚いたり、喜んだり、うなずいたり、ためいきついたり。。。
あとはみんなで作るのよー!とまた放任。
できあがってくるものを私だって楽しみにしているんです。みんなの世界がどんどん広がっていくのがよくわかるから。

私にできることは窓を開けること。風を通すこと。遠くや近くを指さしてあげること。

講師になって今年でちょうど20年。私自身の音楽観が彼らに鏡のように影響してきたと思います。技術偏重に走った時もあったし、迷っているときも。。。今になって違っていたかもしれないと思うことだってたくさんあります。だから、OGのみんなに「ごめんね。」と思うことだっていろいろあります。
だけど、自信をもって言えるのはどんなときもみんなが大好きで大切であり続けていること。
賞を取るための音楽や練習にだけはしたくありませんでした。どんな個性をつぶすこともしたくなかった。その中でいつも模索し続けてきたけれど、そんな考えが吹っ飛ぶくらいみんなの中にはちからがありました。
信頼してまかせること。見守ること。
生徒たちの間に、顧問の先生と生徒たちの間に、先輩と後輩の間に、そして私とみんなの間に、確かにある信頼の見えない糸。
強く張らないで、ゆるくたわむように。

自分が教えているはずのクラブだけれど、そこには私はいない。距離がある。。。だから、堂々といい演奏だったと褒めちぎれる。あなたたちの音楽だったから。

今日、少し嵯峨野で遊びました。行動もみんなそれぞれ自由に。そしてお昼過ぎ。私は京都駅でみんなとお別れ。バスをわざわざ降りてみんなが見送ってくれました。ありがとう。
みんなと一緒のときには興奮気味なのか実感が湧かなかったけれど、ひとり新幹線に乗り、鎌倉に着いて今日は金色の日没。そして夜は月が輝いています。
悔し涙や感動の涙、20年の間に出会ったかわいいかわいい生徒たちの笑顔泣き顔が思い出され、たくさんの感動をもらった幸せをひしひしと感じました。ほんとにありがとう。今ごろ感動に浸っている私。かなりずれてるなあ。。。

演奏が人の心を動かし結果的に受賞したものであれば素直に喜べるはず。今は素直に喜ぼうね!思いきり。
だって、明日からはそれに縛られないで、甘んじないで、怠惰にならずに、驕らずに、自由にいるという新しい重い課題がわたしたちにはできてしまったのですから。
一度手にしたものを捨ててゆく勇気。潔さ。清らかな水であるために流れ続けること。身軽であること。
そんなことを風のようにあっさりできてしまうわたしたちでいましょう。

私はみんなの先生でいるために先生じゃない私でいたいと思っています。

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